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親から手付金を借りても大丈夫?住宅ローンへの影響と注意点を解説

不動産購入

東舘 正明

筆者 東舘 正明

不動産キャリア5年

二刀流(建築士×宅建士)専門家にお任せください!

マイホームの購入を考え始めると、最初のハードルとして手付金の準備があります。
自己資金だけでは足りず、親から手付金を借りるべきか迷っている方も少なくありません。
ただ、安易に親から借りると、のちの住宅ローン審査への影響や、税金・契約上のトラブルにつながる可能性もあります。
そこで本記事では、親から手付金を借りる場合の基礎知識から、住宅ローンへの影響、契約書の作り方や贈与税のポイントまで、順を追って整理して解説します。
親子双方が安心してマイホーム計画を進めるために、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

親から手付金を借りるときの基本知識

住宅購入時の手付金は、売買契約が成立した証として買主が売主へ支払うお金で、将来支払う売買代金の一部でもあります。
一般的な相場は物件価格のおおむね5%〜10%程度とされ、契約金額が高額になるほど割合が低く調整されることもあります。
支払うタイミングは、重要事項説明を受けて売買契約書に署名押印した直後が基本であり、引渡し時の残代金から差し引いて精算されます。
住宅ローンの融資実行は引渡し時が多いため、手付金だけは事前に自己資金や親からの資金で準備しておく必要があります。

親から手付金の援助を受ける方法には「借りる」と「もらう(贈与)」の2つがあります。
借りる場合は、あくまで返済義務のあるお金として扱われるため、適切に契約書を作成し返済条件を決めておけば贈与税の課税対象になりにくい点が特徴です。
一方で、返済しない前提でもらう場合は贈与となり、年間110万円を超える贈与については贈与税の課税対象になる可能性があります。
ただし、一定の条件を満たせば、住宅取得等資金の贈与税非課税制度を利用できる場合もあり、その場合は上限額まで贈与税が非課税になる仕組みです。

親から手付金を借りる前には、家族内で返済方法や返済期間を具体的に話し合っておくことが大切です。
「後でまとめて返すつもり」という口約束のままでは、返済の有無があいまいになり、結果的に贈与とみなされてしまうおそれがあります。
金銭消費貸借契約書を作成し、振込での授受や返済履歴を残しておけば、税務上も貸付であることを説明しやすくなります。
また、親自身の生活資金や将来の介護費用などへの影響も踏まえ、双方が無理のない金額かどうかを冷静に確認しておくことが重要です。

資金援助の方法 主なメリット 主な注意点
親から借りる 条件次第で贈与税回避 契約書作成と返済管理
親からもらう 返済不要で家計が軽い 贈与税と非課税枠確認
自己資金で払う 税務や関係性が明快 貯蓄不足だと負担増

親からの手付金借入が住宅ローン審査へ与える影響

住宅ローンの審査では、まず頭金に充てる自己資金の割合が重視されます。
自己資金が多いほど、借入額が抑えられ、毎月の返済負担も小さくなると判断されやすいです。
さらに、返済負担率と呼ばれる「年収に対する年間返済額の割合」や、他のローンや分割払いの残高も含めた総返済状況が細かく確認されます。
このように、自己資金・返済負担率・他の借入状況を総合的に見て、無理なく返済できるかどうかが審査の大きなポイントになります。

親から手付金を借りる場合、その資金が本当に返済を伴う借入なのか、実質的な贈与なのかが、金融機関から注目されます。
返済計画や金銭消費貸借契約書がなく、資金の出所についてあいまいな説明しかできないと、自己資金とはみなされにくくなることがあります。
また、親への返済が家計の負担となると判断されれば、住宅ローン以外の債務と同様に見なされ、返済負担率が高いと評価されるおそれがあります。
その結果、借入可能額が抑えられたり、審査が慎重になったりする場合があるため、事前の準備が重要になります。

一方で、カードローンなどの無担保ローンで手付金を用意すると、その残高や毎月の返済額は、ほぼ確実に「他の借入」として住宅ローン審査に反映されます。
金利も高くなりやすいため、返済負担率が大きくなり、住宅ローンの審査結果に悪影響を及ぼすことが少なくありません。
これと比べると、親からの借入は利息や返済条件を柔軟に決めやすく、適切に契約書や返済計画を整えれば、家計への負担を抑えやすい側面があります。
ただし、どの方法で手付金を用意した場合でも、金融機関に対して資金の出所と返済内容をきちんと説明できることが、審査をスムーズに進めるうえで大切です。

確認項目 親から借りる場合 カードローン利用の場合
自己資金としての評価 契約書などで実態説明 原則として自己資金外
返済負担率への影響 返済条件次第で変動 他の借入として増加
家計への負担 利息設定で調整可能 高金利で負担増加

親から手付金を借りるときの契約・税金の注意点

親から手付金を借りる場合は、まず金銭消費貸借契約書を作成し、借入金額や返済期間、返済方法、利息の有無などを明確に定めておくことが重要です。
形式だけでなく、実際に約束どおり返済が行われているかどうかが、税務上の判断材料になります。
一般的に、利息については当事者間で自由に決められますが、返済計画と家計の負担を踏まえて無理のない条件とすることが望ましいです。
このように契約内容と返済条件をきちんと整えておくことで、後日の贈与税の問題を避けやすくなります。

一方で、実態として返済の約束があっても、契約書がない、返済が行われていない、利息も全く設定していないなどの場合には、税務署から贈与とみなされるおそれがあります。
贈与と判断された場合、基礎控除である年間110万円を超える部分には贈与税が課される仕組みです。
ただし、一定の要件を満たす直系尊属からの住宅取得等資金については、非課税枠が設けられており、国税庁や国土交通省の資料でも住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度として整理されています。
どの制度が利用できるかは、贈与を受ける年や住宅の要件などによって異なるため、制度の最新内容を確認することが大切です。

さらに、税務調査などで親からの手付金が借入か贈与かを説明できるようにしておくことも重要です。
具体的には、金銭消費貸借契約書の原本、親からの振込記録、返済の振込記録や通帳の写しなどを整理して保管しておくとよいでしょう。
特に返済については、現金の手渡しではなく口座振込にしておくことで、継続的な返済の実態を第三者にも示しやすくなります。
これらの書類を一式そろえておけば、後から内容を思い出せないといった事態を防ぎ、税務上の説明もスムーズに行いやすくなります。

項目 目的 保管のポイント
金銭消費貸借契約書 借入条件の明確化 日付・署名押印を明記
親からの振込記録 借入実行の証拠 通帳写しや明細を保存
返済の振込記録 返済実績の証明 返済計画表と併せ保管

親から手付金を借りて住宅ローンを組むときの安心対策

親から手付金を借りて住宅ローンを組む場合は、まず親子双方の家計に無理がない返済計画を立てることが大切です。
具体的には、住宅ローンと親への返済額を合計した年間返済額が、年収に対してどの程度の割合になるかを確認します。
金融経済教育推進機構などでは、住宅ローンの年間返済額が年収のおおむね20〜25%程度に収まるかどうかを目安として紹介しており、他の借入を含めた返済負担率の把握が重要とされています。
さらに、将来の教育費や老後資金など、今後必要となる大きな支出も一覧にして、返済に充てられる金額とのバランスを事前に確認しておくと安心です。

次に、親の資金援助と住宅ローン控除、住宅取得等資金の贈与税の非課税制度をどのように組み合わせるかを整理しておくことが重要です。
国税庁の資料では、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合、一定の要件を満たせば、省エネ基準を満たす住宅で最大1,000万円、それ以外の住宅で最大500万円まで贈与税が非課税となる枠が設けられています。
一方で、貸付としながら返済条件が曖昧で「出世払い」や「ある時払い」のような実態があると、形式は借入でも実質は贈与と判断される可能性があることが、国税庁の解説で示されています。
そのため、親からの支援額のうち、どこまでを贈与の非課税枠として利用し、どこからを返済義務のある借入とするかを、税制の要件を踏まえて整理しておく必要があります。

さらに、親からの手付金借入を前提に金融機関や専門家へ相談する際には、事前に整理した情報を持参すると、審査や助言がスムーズに進みます。
具体的には、住宅取得費用の総額、自己資金額、親からの借入額と贈与額の内訳、親への返済条件(返済期間・利率・返済開始時期)を一覧にしておくとよいでしょう。
また、住宅ローン控除の適用予定、住宅取得等資金の贈与税非課税の利用予定、将来の収入見通しなども説明できるようにしておくと、金融機関から返済可能性やリスクに関する具体的な説明を受けやすくなります。
相談の場では、親子間の貸付が贈与とみなされないための書類の整え方や、税負担の見通しについても確認しておくと安心です。

確認項目 主な内容 相談時のポイント
親子それぞれの家計状況 年収・生活費・貯蓄残高 無理のない返済可能額の把握
親からの支援の内訳 贈与額と借入額の区分 贈与税非課税枠の活用可否
借入と税制の条件 返済条件と必要書類 贈与認定リスクの事前確認

まとめ

親から手付金を借りること自体は可能ですが、住宅ローン審査や税金への影響を正しく理解して進めることが大切です。
金銭消費貸借契約書の作成や返済計画の明確化により、贈与とみなされるリスクや親子間のトラブルを防ぎやすくなります。
当社では、親からの手付金借入を前提とした資金計画や住宅ローンの選び方について、個別に丁寧にご説明しています。
「自分たちの場合はどうなるのか」を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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