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空き家の売却は何から始めるべき?流れと準備のポイントを解説

空き家

東舘 正明

筆者 東舘 正明

不動産キャリア5年

二刀流(建築士×宅建士)専門家にお任せください!

空き家の売却を考えている方の中には、「何から始めればいいのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。名義や権利の整理、売却手続き、かかる費用など、普段なじみのないことばかりで不安も大きいはずです。本記事では、空き家の売却に必要な準備や名義確認、売却手段ごとの違い、手続きの流れや費用、節税のポイントまで、やさしく分かりやすく解説します。安心して一歩を踏み出せるよう、まずは全体の流れをイメージしてみましょう。

まず整えるべき準備と名義・権利の確認

空き家を安全かつ確実に売却するためには、何よりもまず「名義(所有者)」と「権利関係」の整理が欠かせません。ここではその要点を分かりやすく解説いたします。

相続登記(名義変更)の必要性と義務化
令和6年4月1日より、不動産を相続により取得した場合、所有権移転登記(相続登記)が義務化されました。この手続きは、「相続を知った日から3年以内」に行う必要があります。期限を過ぎても正当な理由がなければ、10万円以下の過料が課されるおそれがあります。これは2024年以前の相続にも適用され、2027年3月31日までに手続きを完了させる必要があります。義務化の背景には、所有者の不明な空き家が増えたことで社会問題化していることがあり、この法改正はその解消を目指すものです。

抵当権抹消・境界確定などの権利関係の整理
空き家を売る際には、まずその不動産に抵当権(ローンの担保設定など)が残っていないか確認し、ある場合は抵当権抹消の手続きを済ませなければなりません。また、境界が明確でないと売買後にトラブルとなることがあるため、必要に応じて境界確定の測量や書類整備を並行して進めることが安心につながります。

必要書類の一覧(登記簿謄本、固定資産税証明など)
売却に際して揃えておくべき書類は以下の通りで、事前に一式準備しておくと手続きが滞りません。

書類名内容
登記事項証明書(登記簿謄本)現在の所有者・権利関係を確認する
固定資産税納税通知書または固定資産評価証明書課税評価額・税額の確認に必要
印鑑登録証明書と実印契約時に本人確認のため必要

これらの準備が整えば、法務局や役所との手続きもスムーズに進み、売却の第一歩として安心して踏み出せます。

売却方法の選択肢と選び方のポイント

空き家を売却する際には、大きく三つの方法があります。それぞれの特徴を理解したうえで、ご自身の状況に合った選び方を考えてみましょう。

売却方法 特徴 適した状況
そのまま売却(現状の中古住宅または古家付き土地として) 解体費用が不要で、住宅用地の特例により固定資産税が軽減される場合があります。また、住宅ローンの利用が可能なことから買主にとって利用しやすいメリットもあります。ただし、築年数が古く劣化が進んでいると買い手がつきにくいことがあります。 築年数が比較的新しく、建物に利用価値がある場合や、土地の需要がある地域。
更地にして売却 建物を解体することで、駐車場用地や新築用地として買い手が付きやすくなる傾向があります。しかし、解体費用がかかり、住宅用地の軽減措置が失われるため固定資産税が上がる点には注意が必要です。 建物が老朽化しており、安全性に不安がある場合や、立地が良く土地としての需要が高い場合。
買取(不動産会社が直接購入) 仲介を介さずに短期間で現金化でき、仲介手数料が不要で、契約不適合責任が免責になる場合もあります。一方、市場価格より低めになりやすい傾向があります。 早期の現金化を希望する場合や、遠方で管理が難しい場合、状態が悪く仲介が難しい空き家の場合。

また、売り方によっては「更地にしてから売る」「リフォームして売る」といった選択肢もあります。築年数が浅く建物に価値が残っていれば、リフォームによって付加価値を高めることも可能です。

それぞれの選択肢には次のようなポイントがあります:

  • そのまま売却:費用負担を抑えつつ、住宅ローンの利用可や税軽減メリット。
  • 更地にして売却:売却しやすさと用途の広がり。ただし解体や税負担増に注意。
  • 買取:スピードと手間の軽減に優れる。ただし価格面では妥協が必要。

このような違いをご理解いただいたうえで、ご自身の優先事項(費用負担、売却の速さ、売却価格など)に応じて最適な売却方法を選択されることをおすすめします。

売却の流れとスケジュール感

空き家を売却する際の一般的な流れを、ステップごとに順序立ててご案内します。流れを把握しておくことで、安心して売却に進んでいただけます。

ステップ 内容 期間の目安
①ご相談・査定 まずはご相談いただき、空き家の価格目安をつかみます。 約1か月程度
②媒介契約・売却活動 売却の依頼をいただき、販売活動を開始します。 3~6か月程度
③売買契約・引渡し・決済 買主と契約し、決済・引渡しを経て手続完了となります。 1~3か月程度

まず最初のステップは、「ご相談・査定依頼」です。ご相談から媒介契約、販売活動の開始までには、およそ1か月ほどかかるのが一般的です。

つづいて、当社による売却活動が始まり、買主との売買契約成立までには、通常3~6か月を見込んでいただくと安心です。売却しやすい状態かどうかにより、築年数や状態が古い場合などは、成約までに1年近くかかることもありますので、ご注意ください。

最後のステップは、「売買契約→決済・引渡し」です。引渡し時には司法書士に名義変更を依頼し、所有権移転登記などの手続きを行います。この期間は、おおよそ1~3か月が一般的です。

また、注意すべきタイミングについても重要です。例えば、建物を解体して更地として売却する場合、固定資産税が決定される毎年1月1日の後に解体することで、税負担を抑えた売却につながります。

さらに、特例の利用を考えている場合、例えば相続に伴う3000万円の特別控除は「相続開始から3年以内」に譲渡契約を締結することが必要です。この期限を過ぎると、特例が適用できなくなるため、スケジュール調整は慎重に行うことが大切です。

売却にかかる費用や税金、そして節税・費用軽減のポイント

空き家を売却する際には、さまざまな費用や税金が発生します。その一方で、制度や工夫を活用することで負担を軽減する手段もあります。ここでは、費用項目と控除制度、節税の工夫についてご紹介いたします。

以下の表に、主な費用項目とその概要をまとめました。

費用・税目 内容 節約・控除のポイント
譲渡所得税 譲渡益に対して課される所得税・住民税。所有期間に応じて税率が異なります(約20%前後)。 「相続空き家の3,000万円特別控除」が適用されれば、譲渡所得から最大3,000万円が控除され、税額を大幅に減らせます。
登録免許税・印紙税 登記や契約書作成時に発生する税金。 取得費(購入費+諸費用)に含めて譲渡所得の計算を行えば、課税対象の利益を減らすことができます。
仲介手数料・解体費・測量費など 売却に伴う諸経費一式。 これらも譲渡費用として取得費と合わせて譲渡所得の控除対象となります。

次に、譲渡所得から3,000万円の特別控除を受ける制度について詳しく見ていきます。

「相続空き家の3,000万円特別控除」は、相続や遺贈によって取得した被相続人の居住用家屋と敷地について、一定の要件を満たした場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できます。

主な適用要件は次のとおりです。

  • 被相続人が居住していた家屋と敷地を相続等により取得していること
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、耐震基準を満たすか、解体して更地にして売却すること
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。適用期限は令和9年(2027年)12月31日まで延長されています
  • 譲渡対価が1億円以下であること
  • 売却先が特別な関係者(親族等)でない第三者であること

なお、相続人が複数いる場合、1人あたりの控除額は一定の制限があります。相続人が3人以上の場合、改正後は1人あたりの控除額が2,000万円となりますので、ご注意ください。

また、取得費が明確でない場合には、「取得費を売却価格の5%として概算する」という方法もあります。しかし、取得費が実際より低く見積もられる可能性があるため、結果として税負担が増えることがあります(いわゆる「5%ルール」)。可能な限り正確な取得費を証明できる書類の確保が望まれます。

最後に、確定申告時には次のような書類が必要です。

  • 被相続人居住用家屋等確認書(自治体発行)
  • 登記事項証明書、耐震基準適合証明書または評価書、売買契約書など

これらを揃え、売却した翌年の確定申告期間(2月16日~3月15日)に申告することで、特別控除の適用が受けられます。

費用と税金の負担を安心して軽減しながら、空き家売却を進めていきたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ

空き家の売却には、準備としての名義や権利の確認が欠かせません。相続登記や必要書類の準備を丁寧に行うことで、スムーズな売却が実現しやすくなります。売却方法や売り方によって特徴や注意点が異なるため、ご自身の状況に合った進め方を見極めることが大切です。売却の具体的な流れや期間、費用や税金の知識も持っておくことで、不安を減らし安心して手続きを進められるでしょう。手続きや不明点については、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

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